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更新日時:2013年1月20日 00時00分

THE BAWDIESインタビュー/『1-2-3』で4人が鳴らすロックンロールのカタルシス【1】

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THE BAWDIESが鳴らすロックンロールのカタルシスとは何なのか。なぜ彼らが体現するロックンロールはここまで強力なポピュラリティを得られるのか。ルーツミュージックから得た息吹を完全に昇華し、いまやTHE BAWDI ESは独立した魅力に満ちた、コンテンポラリーなロックンロールを射止めた。エモーショナルで多彩なキラーチューンに彩られた最高傑作『1- 2- 3』が、ここに誕生した。
INTERVIEW & TEXT:SHOICHI MIYAKE PHOTOGRAPH:RUI HASHIMOTO HAIR&MAKE-UP:AYUMI HIGUCHI(CALM)


─ THE BAWDIESが鳴らすロックンロールの本質的なダイナミズムをあらためて浮き彫りにすると同時に、さらなる高みを提示しているアルバムになりましたね。

ROY(Vo&B) ● 自分たちでも最高の手応えを感じています。これこそがTHE BAWDIESのサウンドだって言える作品を自信をもって届けられますね。僕らにはもともと迷いってないんですけど、4枚目にして新たなデビューアルバムができたなというフレッシュな感触があって。でも、デビューしたばかりのバンドではできない完成度もある。どの角度から見ても振り切れた爆発力をしっかり出せたなって。

TAXMAN(G&Vo) ● 僕らにとっては初めての試みだったんですけど、今回の制作とレコーディングは短期集中ではなく、あえてライヴの本数を減らして1年かけてじっくり向き合ったんです。だから、生活のなかにレコーディングが組み込まれているような感覚もあったし、1年にあったさまざまな出来事やその時々の感情を1曲1曲に込めることができた。何度聴いても隙のないアルバムができたと思います。

─ 制作を1年かけてじっくりやれたことが功を奏したと。

JIM(G&Cho) ● 今回はじっくり作ることがバンドのタイミングに合っていたというか。もし1枚前だったり、1枚あとだったら違っていたと思うんです。いつもなら2、3ヵ月でバーッとレコーディングして“できた!”ってなるところが、長いスパンで録ったからTAXMANも言ってましたけど、レコーディングが生活の一部になっていて。最近までなかなか客観的にアルバムを聴くことができなかったんです。でも、今は時間が経ってすごくいいアルバムができたなって思う。リスナーにも長く聴いてもらえる作品になったと思いますね。

MARCY(Dr&Cho) ● 1曲1曲にベストな方法を見つけていって。1回デモを録ったものをあえて1週間聴かないこともあったんです。すぐに聴いちゃうと勢いで“これでOK!”ってなりがちなんだけど、時間を空けることで最初とは違う角度で曲を聴けるし、そこで改善点も見えてくるから。そういう丁寧な作り方を全曲にできた。だからこそ、今のTHE BAWDIESのベストな状態を随所に注ぎ込めたアルバムになったと思います。

─本作に向けて制作に比重を置いた1年にしようというのは、メンバーが強く望んだことなんですか?

ROY ● そうですね。今回は今までとは違うアルバムの作り方をしたいと思って。1年あったら、人間いろんなことがあるじゃないですか。自ずとバンドが鳴らす音楽も1月、2月で録ったものと10月、11月に録ったものでは全然違うものになるだろうなと思って。それを1枚のアルバムにするだけで、振り幅があって面白いものができるんじゃないかという発想から始まったんです。

─ 一昨年11月に長年の夢だった武道館ライヴを成功させたことも大きかったと思います。あの大きな舞台を経て、次に世に送り出すアルバムは、確かな推進力と求心力に満ちたものでなければならないと思ったのではないかと。

ROY ● 思いましたね。やっぱり武道館ライヴはバンドにとってひとつの大きな区切りになった。あの場所に立てたことで、ロックンロールバンドとしてみんなに認めてもらえたことの証明にもなったと思うし。

─ 市民権の証明ですよね。360度オーディエンスに取り囲まれた会場は掛け値なしの超満員で、特別な熱狂が生まれた。

ROY ● そうですね。武道館に立ってロックンロールバンドとして認めてもらったからこそ、ロックンロールを世間にしっかり発信する側としての責任感と使命感が生まれて。それを最初に証明しなければならなかったのが、武道館ライヴの次の日から制作に入った「ROCK ME BABY」で。あの曲はドラマの主題歌(関西テレビ・フジテレビ系『ハングリー』)に起用してもらって。自分たちがやるべきことは、日本のポピュラーミュージックのなかでロックンロールをしっかり根づかせることだと思ったんですね。そこに向けてひとつの軸になったのが「ROCK ME BABY」だったんです。あの曲はサウンド面でも新たなステップを踏みながら、現代のロックンロールとして理想的な響き方を提示できたと思うので。

─ また2011年春にはTHE BAWDIESの憧れの存在であり、バンドを結成するきっかけにもなったTHE SONICS(“ガレージパンクの元祖”とも呼ばれるシアトル出身のバンド)との対バンもついに実現した。

ROY ● THE SONICSとのツアーが実現したことで、今度は原点に戻るような刺激を受けて。そして、最終的に残ったのは大きな幸福感だったんです。それを受けてできたのが「LEMONADE」だったんですね。

─ 幸福感が「LEMONADE」のスウィートなポップネスに表出したと。

ROY ● そう。で、「LEMONADE」ができるちょっと前にアルバムの2曲目の「LONELY MAN」ができていたんです。この曲はもうTHE SONICSから受けた刺激がストレートに出たもので。だからこそ、スカッとした気持ちで「LEMONADE」をシングルとしてリリースすることができたんです。もしかしたら、開けた曲の「ROCK ME BABY」とミドルテンポのポップな「LEMONADE」をシングルでリリースしたことで、“ THEBAWDIESはポピュラーミュージックに吸い込まれてしまったのか?”って見られる可能性もあるなと思ったんです。だからこそ、アルバムでは多彩なアウトプットのなかに共通した初期衝動的な爆発力のある曲をいっぱい入れたいと思って。