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更新日時:2013年4月19日 21時00分

凛として時雨インタビュー/完全なる不完全、未完成の完成―5thアルバム『i'mperfect』リリース【1】

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VA5月号

チャート1位を獲得した前作『still a Sigure virgin?』から2年半。
バンド初となるTVアニメのオープニング・テーマの書きおろしなど、新たなフィールドへのアプローチを経て、世に放たれた新作『i'mperfect』はこのバンドの底知れなさを見事に体現している。

INTERVIEW&TEXT:YUK A ISHIZUMI PHOTOGRAPH:YOSHIHARU OTA HAIR&MAKE-UP:kanae


─TKさんは自分の中にあるものは基本的に変わらないといつもおっしゃいますが、そんななか、今回のアルバム制作は何が取っ掛かりになりましたか?
TK ●『abnormalize』の後かな? あのシングルは、ソロを経た第一作目っていうのもありましたけど、あそこですごくいいスタートを切れたし、今回のアルバムでは僕の中では軸になってる曲でもあるので、取っ掛かりではありましたね、“何か?”と言われれば。
─ 345さんと中野さんはこの間、時雨での作品作りに対して渇望は強かったですか。
345 ● …意外とこう、久しぶりに3人で会ってスタジオに入った時は普通でした(笑)。あんまり時間が空いた感じもなく、今まで通りというか。
─中野さんは? 一番3人で制作に入りたかったんじゃないですか?
中野 ● そうですね。もちろん、ドラマーとしては時雨ありきだと僕は思ってるんで。でも渇望したところでTKが“やる”ってならないと始まらないので(笑)。
─達観ですか(笑)。
中野 ● 始めたいは始めたい…どうなんだろう? 意外とそういうのもないかもしんないですね。
─いつかTKさんから届く船便みたいな?
中野 ● そんな感じ。“きっと届くはずだ!”と思いながら(笑)。

─ そこは変わらないんですね。では実際、制作に入る際にこれまでと違う意識はありましたか?
TK ● 削ぎ落とした状態、究極の形にしたいっていうのは第一にはありました。でもそれはダビングをしないとかそういう物理的なことではなく、3人が出してる音っていうのがスピーカーから真っ先に再生されるような作品にしたいなっていうのはありつつも、だからといって何かを変えるわけでもなかったんです。最初の入り口をそういうソリッドで3人の一番おいしい部分をいかに自分が引き出すか? っていうところがポイントではありましたね。
─その意識は曲作りにどんな影響を?
TK ● 自ずと自分が引き出してくる曲のモチーフだったりが、入り口に寄っていったと思うんですよね。3人の音だけで構成されてる曲っていうところで。まぁ初期の頃もそうでしたけど、また初期とはちょっと違う形のソリッドというか、ですね。例えばアコギを使わないようにとか、打ち込みは使わないとかそういうのはあんまり意識したワケではないんですけど、自ずと出てくるものもそうなってたっていうところはありますね。
─ 対外的な意識はどうでしょう。去年「MUSIC STATION SUPER LIVE」に出演された際、メジャーのフィールドにこういう音楽があってもいいんじゃないか? と発言されていましたが。
TK ● 一見してみればアンダーグラウンドの音楽なのかもしれないですが、ちゃんとそれを自分たちの形でそこに映せば、テレビっていう媒体を通しても? っていうのはありましたね。

─シングルに続いて、数曲を外部のエンジニアさんが手がけているのも新鮮ですね。
TK ● 全部自分でやるメリットもあるんですけど、本来ミュージシャンである自分の両方を確認してみたかったんですよ。今度また自分がミックスするとしても、違う角度からの視点を持った上で、より時雨的に攻められれば究極の形へさらにステップアップできると思ったし。
─上がった音を聴いてどう感じました?
TK ● 当然、最初きた時は違和感があったんです。でも、その人を使って自分たちの音を作るぐらいの感覚でいなきゃというのは心がけているというか。それなら僕がやってるミックスのほうがいいよねってなっちゃってもしょうがないので。人がやったことによってまた新たな一面が見れたっていう方向に持っていかなきゃいけないと思ってるので、今回は新しい音像ですけど、これもちゃんと時雨の形になってるなと思いました。
─ それは曲と演奏が時雨でしかないものだからできることなんだと思います。そして今回の仕上がりは、これだけ音が詰まっていても楽器の音がちゃんと聴こえるし、攻めのキャッチーという印象が強くて。
TK ● 攻めました、確実に。攻めるっていうのは決して静かな曲が攻めてないってわけではなくて…最後の『Missing ling』とかはスローな曲だからこそ持てる危険性みたいのが(笑)、この曲には溢れていて。とにかく刺さるようにしたかったっていうのは、速い曲もスローテンポな曲もすべて刺さる作品にはしたかった。それは感覚的なところなんですけど、録り音にしてもミックスにしてもそういうポイントは探ってた気はしますね。