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更新日時:2013年5月20日 9時45分

ナオト・インティライミ インタビュー/音楽の自由を謳うニューアルバム『Nice catch the moment!』完成【1】

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ナオト・インティライミ

かつて世界一周28ヵ国の旅に出た男の新たな物語─。
現在公開中の映画『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』は、ナオトが10年ぶりに出たバックパックの旅とその経験が音楽制作にフィードバックされるまでを追ったドキュメンタリー作品だ。
そして、ニューアルバム『Nice catch the moment!』は、ナオトがその今回の旅で得た一生ものの“声なきメッセージ”をポピュラーミュージックのフィールドに響かせるべく作られた、間違いなく彼の代表作になるべきものである─。
INTERVIEW&TEXT:SHOICHI MIYAKE(ONBU) PHOTO:TAKASHI HIRANO
HAIR&MAKE-UP:Storm STYLING:中村剛 PLACE:DAIK ANYAMA T-SITE 代官山 蔦屋書店

─ナオトさんが10年ぶりに出たバックパックの旅とその経験が音楽制作にフィードバックされるまでを追ったドキュメンタリー映画『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』。その今回の旅がアルバム『Nice catchthe moment!』も完成させたと言っても過言ではないですよね。

「そうですね。映画の構想は1年半くらい前からあって。あの時点で僕の旅をドキュメンタリー映画にしてくれるなんて言っていただけたことがホントにありがたいですね。でも、せっかく旅に出るならしっかり時間を取りたいということで、このタイミングになったんです。昨年9月から3回に分けて行きました」

─どんな旅にしたいと思いましたか?

「とにかく10年前と同じように、あくまで自分のスタイルで旅がしたいと。今の自分の生活と、より違う生活文化を体験したくて、最初に訪れる国に選んだのはエチオピアでした。旅に出る前は、10年ぶりの旅というワクワク感と、もしかしたら自分の旅の感覚が変わってしまったのではないかという不安が交錯していたんです。でも、エチオピア南部の少数民族、ハマル族の人々と出会った瞬間にすぐ自分の感性の毛穴が全開になった。“catch the moment”というキーワードはハマルから受け取ったものなんです。一生ものの革命が自分のなかで起きた。それがこのアルバムにも、人生にも、性格にもすべての面で大きな影響を及ぼしてます」

─詳しく聞かせてもらえますか?

「要は、ボーッとするということで」

─ボーッとする?
「そう。ボーッとすることは気持ちいいことなんだってハマルに教えてもらったんですね。ハマルは基本的に裸で生活しているので、僕も服を脱いで一緒に時間を過ごしていたんです。すると、彼らは多くの時間を座りながらボーッとしているんですよね。で、僕はそれを見てソワソワして、“え、これ何待ち!?”って思ってしまう(笑)」

─東京の時間感覚で暮らしている僕らはそう思ってしまいますよね(笑)。

「そう。やっぱり最初は落ち着かない。でも、だんだん一緒にボーッとすることが気持ちよくなってくるんですよ。彼らは電気も電波もないところで、お腹がすいたらご飯を食べて、屋根が雨漏りしたら修理する。すべて必要性のある行動を取っているんです」

─ムダがない。

「そうなんですよ。一方、“東京にいる時の僕はどうか?”って考えた。ボーッとすることを忘かけがえのない瞬間を逃したくないという思いが“catch the moment ”というキーワードになったれていた。なんでしてなかったのか? 忙しさにかまけているだけなんじゃないかと。そうやって考えていったら、そうだ、僕らは携帯電話に忙しいんだって思った。電車待ちの数分間、信号待ちの2、30秒の間に無意識に携帯を出して、下を向いて画面を見ている。本来、これがなかったらハマルと同じようにボーッとしていると思ったんですね。ボーッとして、外の景色を見ながら移りゆく季節を感じられたかもしれない。あるいは、過去、現在、未来の自分自身や大切な人と向き合う時間を作れたかもしれない。ボーッとしながら“あいつ元気にしてるかな?”って思ったり。そういう時間を、携帯を見ている時間で埋めちゃっていたなと思って。そうだ、そのかけがえのない瞬間を逃したくないと思って“catch the moment”というキーワードが浮かんだんです」