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更新日時:2013年5月20日 9時45分

ナオト・インティライミ インタビュー/音楽の自由を謳うニューアルバム『Nice catch the moment!』完成【2】

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Nice catch the moment!

─今回の旅で最初に訪れたエチオピアの時点でこのアルバムのテーマが見えたんですね。

「そう。アルバムのテーマにもなったし、人生のテーマにもなった。どこかで薄々気づいていたことが決定的になったんですね。それで、帰国後に僕は自分のなかで“catch the momentキャンペーン”を始めたんです」

─というと?

「日々の生活で携帯やネットにまったく触れないのは無理だし、現実的じゃないですよね。でも、その時間を半分に減らすことはできると思ったんです。自分の意思をもって検索したり、情報を得るのを心がければいい、と。それを始めたら劇的に変わったんです。音の聴こえ方が」

─音の聴こえ方が?

「“catch the momentキャンペーン”を始めて2、3週間後にイベントでライヴをやったらめっちゃ気持ちよかった。そこで思ったんです。俺は音楽を耳で聴くものだと思っていたけど、音楽って全身で感じるものなんだって。今まではその感性を必要のない情報で埋めて、頭で考えて、耳で必死に聴こうとしていた。あとね、ご飯もおいしくなった。そういう心の豊かさをハマルに教えてもらったんですね。それを僕は音楽で表現して、リスナーに押しつけるのではなく、共有したいと思ったんです」

─旅をしながら曲を作っていたんですか?

「ミニギターを持っていったので、曲のアイデアが浮かんだらすぐヴォイスレコーダーに吹き込んで。あとでチェックしたら断片的ではありますけど、20曲分くらいありましたね。それをもとに映画のサウンドトラックを作ったり、このアルバムの曲を作りました。2曲目の『Brandnew day』なんかはまさに旅をしながらできた曲ですよね」

─EDMソカとも言うべきナオトさん流のパーティチューンですね。

「そう。ソカはデビューアルバム『Shall wetravel??』からアッパーな曲において自分のベーシックになっているので。そこでEDM的な要素を融合したかったんです。歌詞にも明確なテーマがあって。今回の旅で2月に世界三大カーニバルのひとつである、トリニダードカーニバルに行けたんです。僕はこれまでブラジルではリオやサルバドールのカーニバル、キューバのカーニバルと、いろいろ体験してきましたけど、今回もトリニダードカーニバルは暫定世界1位になりましたね」

─どれくらいすごいんですか?

「とにかく圧倒的だった。カーニバルの期間は毎日いろんなパレードやパーティが行われているんですけど、そのなかでジュベという、AM4時から始まって正午まで続くパレードがあって。みんなで新しい朝を迎えて、今日という日を塗り替えるお祭りなんですね。爆音で音楽をかけるトラックが何十台も走っていて、濃いめのラムコークを片手に踊って、自分を解放しながら朝日が昇る瞬間をみんなで迎えるんです。その時に見たトリニダードの太陽が圧巻で。僕はインティライミ(南米インカの言葉で“太陽の祭り”を意味する)と名乗っていますけど、あらためて本気で太陽のような存在になりたいと思った。そのジュベで感じたことを『Brand new day』の歌詞にしたんです。トリニダードに行ったのは今年の2月の2週目だったので、産地直送パック感を味わってもらえると思います(笑)」

─旅で感じたことを時差なく音楽化した。

「ホントにそうで。4曲目の『I’m chi-zu-ers(アイム・チザーズ)』も旅で生まれた地図の歌だし。多くの曲に“catch the moment”精神が注がれてますね」

─ラストは映画の主題歌でもありアルバムの象徴的な楽曲である「catch the moment」。この曲はナオトさんがアレンジも手がけていて、楽器もすべて自ら演奏しているんですよね。

「そうなんです。ウクレレギター、ベース、パーカッション、三線、すべて自分で弾いてます。この曲がアルバムの最後にいてくれるという安心感がすごくあって。今作も1曲1曲ジャンルが違うと言っていいくらいサウンドは幅広いし、いろんなアプローチやアイデアを形にしているんですけど。そのうえでアルバム全体を通して剥き出しの音楽を表現したかったんです。その象徴が『catch the moment』という曲なんですよね」

─あらためて、どういうアルバムになったと思いますか?

「音楽の自由を感じてもらえるアルバムになったんじゃないかと思います。『I'm chi-zuers』は2分半で終わるし、11曲目の『声をきかせて』はもともとサントラ用に作った曲で、そこに歌が付いたから、イントロが1分半くらいあって(笑)。『恋する季節』もシングルですけど、Aメロが1回しか出てこなかったり、実はポップスのフォーマットに則ったものではないんですよね。それくらい自由なマインドで作ったので、そのあたりも“ nice catch”してもらえたらうれしいです」