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更新日時:2013年1月20日 00時00分

THE BAWDIESインタビュー/『1-2-3』で4人が鳴らすロックンロールのカタルシス【2】

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『1-2-3』

『1-2-3』

─ ポピュラリティとも向き合いながら初期衝動を押し出していく難しさはなかった?

ROY ● でも、ロックンロールという音楽はそもそも初期衝動の塊なので。それをあらためて教えてくれたのがTHESONICSでもあったし。50年以上ずっと同じことをやっているんですけど、ずっと爆発し続けている。ザ・ローリング・ストーンズもそうですよね。新曲(「ドゥーム・アンド・グルーム」)もめちゃくちゃカッコよかったし。

JIM ● ロックンロールの衝動的な部分やルーツミュージックにある肉体と精神を同時に満たすような楽しさって、今の世の中に足りない部分だと思うんです。喜怒哀楽の楽しい部分がすごくないがしろにされているんじゃないかと思っていて。

─ 特に震災以降はそういうムードがより強まっていますよね。

JIM ● そうですね。やっぱり楽しさってすごく大事な感情で。そこに対して僕らはストイックでいたいなと思うんです。そこを失ったら人間マジで終わりだよって思うんですよね。あと、日本人って目の前に踏み込んでいくことを恐れたり、周りの目を気にしてしまったりする傾向が強いじゃないですか。それも日本人の美学ではあると思うんですけど、もっと楽しむことに貪欲になってもいいと思う。本気で楽しむことのすばらしさを、このアルバムで伝えたいですよね。

─ そういう確固たる意志があれば、曲作りもブレないですね。

ROY ● そうですね。1曲できるごとにアルバムの完成に向けて狙いを定めていく感じで。武道館直後に「ROCK MEBABY」と、同じく開けた曲の「I WANT YOUR LOVEAGAIN」を作って。これはドラマ用に「ROCK ME BABY」と一緒に提出したんです。だからこの2曲はモードとして近い開き方をしている。さらに「LEMONADE」があって、「LONELYMAN」以外は開けたタイプの曲が多かったので、そこから爆発力を持たせるために全曲アルバムの1曲目になるような曲を書こうと思って。そういう意味でも時間をかけて、テンションがマックスの時にだけ曲が書けたのはすごくよかった。

─ そのなかから実際に1曲目に据えられた「DANCE THENIGHT AWAY」がこのアルバムの熱量を象徴しているんですけど、これはどういう流れで生まれたんですか?

ROY ● 1曲目になるような曲を書いていく流れでまず「LISTEN」と「CAN'T STOP GROOVIN'」ができて。これは両方とも1曲目にいけるなと思ったんですけど、いや、もっといけると思って書いたのが「DANCE THE NIGHT AWAY」だったんです。

─ ピアノを迎えた南部ノリのグルーヴが、今のTHEBAWDIESが響かせるロックンロールの真髄を浮き彫りにしている。こういうオーセンティックなロックンロールをキャッチーに体現できることがTHE BAWDIESの凄みだと思う。

ROY ● 僕らが好きな60年代のバンドにもブラックミュージックに影響を受けたバンドっていっぱいいましたけど、たとえばザ・ビートルズもただ単にリズム・アンド・ブルースをやりましたというのではないポピュラーミュージックとして昇華したわけじゃないですか。自分たちも目指すところはそこなので、そう言っていただけるのはすごくうれしいです。

─ あらためて『1-2- 3』というタイトルに込めた思いを訊かせてください。

ROY ● とにかく勢いと爆発力を象徴したタイトルにしたいと思って。『1-2-3』というタイトルが付いていたら、“ 大人っぽいアルバムなのかな?”とは誰も思わないじゃないですか(笑)。あとは、バンドの歴史を『1-2- 3』に当てはめた時に1が結成からインディーズの活動を通してライヴ感を養っている時期。2は、メジャーデビューしてから武道館ライヴまで。そして、3は武道館ライヴ後の「ROCK ME BABY」から、“ポピュラーミュージックのなかでどう闘っていくか”と向き合い始めた時期。そういう意味も込めています。あと、ボーナストラックに「1- 2- 3」という曲が入っているんですけど、これはアルバムの12曲目ではないんです。アルバム自体は全11曲でしっかり完結しているんですけど、“ 11曲に込めたものを1曲に表現したらどうなるんだろう?”という思いで作ったんです。この曲はアナログテープで一発録りして、モノラルミックスだし他の曲とは質感が全然違う。初回限定盤にはDVDが付いているんですけど、この曲のレコーディングの模様が収められているんです。僕が作ったこの曲のデモをみんなに聴かせないまま当日スタジオに集まって。みんなと音を合わせながら形にしていって、それをアナログテープで録ってエンジニアさんがミックスするまでを映像に記録している。ロックンロールが衝動的に生まれる瞬間をリスナーにも見てもらいたかったんです。

─ 素晴らしい試みだと思います。2月からはバンド史上最大規模の全59本にも及ぶツアーが始まりますね。後半には横浜アリーナや大阪城ホールという大会場も決定しています。

ROY ● まずは全国のライヴハウスを廻っていくんですけど、土地土地のお客さんに至近距離で“こんなに思いっきり楽しんでいいんだ!”というロックンロールの魅力を全力で伝えたいですね。大会場に関しては、武道館を経て、ライヴハウスの距離感と熱量をどんなに大きなハコでも伝えられるんだということを、あらためてもう一度証明したいと思います。